堺で起業、海外経験を活かすブランディング支援 相澤めぐみさん
カナダ・トロントとベルギーでの経験を経て独立。地域の価値を「世界基準で翻訳」する日々
堺のニュースインタビュー・特集


今週の堺人(サカイビト)Vol.2
抽象度の高い価値を整理し、伝える
企業理念やブランドの核にある、まだ言葉になりきっていない価値を整理し、国内外へ届ける。相澤めぐみさんは堺で育ち、海外での経験を重ねながら、現場と世界を行き来してきた。いまは堺を拠点に、地域と世界をつなぐ仕事に向き合っている。
プロフィール
氏名:相澤 めぐみ
年代:40代
職業:Business Producer/合同会社Loop 代表
居住地:堺市南区
堺市居住歴:幼少期より堺で育つ
Q1
これまで、どんな仕事をしてきましたか?
関西大学商学部在学中に2年間休学し、単身カナダ・トロントへ渡りました。現地のスタジオにて、トロントを拠点に世界で活動する写真家・杉野信也氏に師事し、広告制作の現場を経験しました。表現とは何か、伝えるとは何かを実践の中で学びました。
復学・卒業後はベルギーの大学院で東アジアと欧州の商慣習を研究。その後、会計事務所のアントワープ事務所にて日系企業向け国際税務・コンサルティング業務に従事しました。複雑な課題を構造化し、本質を見抜く力はこの時期に鍛えられました。
帰国後はインバウンド・観光支援分野へ。外国人向け無料MAP(約90ページ/年4回発行・年間120万部)を一から企画制作し、約1200箇所の宿泊施設へ自ら配布しました。黒門市場では1000件以上の対面調査を行い、動画コンテスト企画やWEB戦略を通して現場の課題解決と集客増を実現しました。紙・WEB・SNSを横断した施策を展開し、累計400社以上の集客支援に携わりました。
2025年、合同会社Loopを設立。現在は企業理念やブランドの抽象度の高い価値を「世界基準で翻訳」する支援を行っています。
Q2
いまの生活の中で「自分らしい日常だ」と感じる場面とは?
休日に、気ままに好奇心の赴くまま過ごしている時間です。「楽しい!」と感じる瞬間に、仕事の突破口が見えることがあります。新しいものを見つけると没頭してしまうので時間は決めていますが、「しょうもないこと」を本気でやる時間を大切にしています。どうせ疲れるなら、全力で。童心に帰る時間が、自分を整えてくれます。ちなみに、一人ダジャレ選手権を30年続けています。「ダジャレ考えたの誰じゃ?」と真剣に考えている時間が、実はいちばん自分らしい瞬間かもしれません。
Q3
堺で暮らしてきた中で「ここで生きてきた実感がある」と感じる場面とは?
堺は商人文化が根付く町です。地域の大人たちが子どもを見守る空気の中で育ち、困ったときに誰かが手を差し伸べてくれる町だったことは今でも大切な記憶です。「堺らしいなぁ」と感じるお節介で世話焼きなところ、すぐに駆けつけることができるちょうどいい街のサイズが、自分の中で「心地良い」と感じる暮らしの基準値になっています。
身近なヒトやモノで経済が回る。
街は生き物だと感じます。
前職で外国人向けMAPを制作していたとき、地元の人の声を積極的に採用しました。生の声を、必要な人へ届ける。そこに地域の循環が生まれると実感しました。海外で13年暮らして初めて、日本の当たり前の凄さに気づきました。水道水が飲めること、チップが不要なこと、無料で使える公共トイレ。それと同じように、堺にもまだ気づかれていない魅力がたくさんあります。堺は意外と大きく、面白く、人間味にあふれた街です。
Q4
人生の中で「大きな転機だった」と感じている出来事とは?
海外で働いた経験と、2025年の独立です。海外で日本を外から見て、日本は品質・技術・クリエイティブ力が高い国だと確信しました。一方で、対話力や表現力の不足によって、その価値が十分に伝わっていない現実も痛感しました。独立は、自分の名前で責任を負う決断。覚悟を持った瞬間でした。
Q5
これからの人生について、現時点で考えていること
海外と日本をつなぐ役割を担いたいと考えています。日本には世界に誇れる文化やクリエイティブがあります。しかし、それを伝えるためには対話が必要です。企業理念や地域資源など、抽象度の高い価値を整理し、世界基準で伝える支援を続けていきたいと思っています。堺で育った視点と海外経験を活かし、小さな対話を積み重ねながら、地域と世界をつなぐ存在でありたいと考えています。
相澤めぐみさん経歴
関西大学在学中にカナダ・トロントへ渡り広告制作の現場を経験。ベルギーの大学院で東アジアと欧州の商慣習を研究後、会計事務所アントワープ事務所にて日系企業向け国際税務・コンサルティング業務に従事。帰国後はインバウンド分野で外国人向けMAP(年間120万部)を企画制作し、累計400社以上の集客支援に携わる。2025年、合同会社Loop設立。
記事:笹野 大輔
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