2025年度の堺市予算案(一般会計)は過去最大の4,879億円
サギ電の「特殊詐欺撲滅への取り組み強化」は588万円
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堺市は4日、2025年度の当初予算案を発表したんやけど、大手メディア(朝日、毎日、産経、日経など)は一部の施策しか取り上げてへんかったわ。紙面の都合もあるんやろうけど、こういうとこに堺市民に堺市のニュースの届きにくさを感じるところや。
サカイタイムズでは、堺市の2025年度(令和7年度)の当初予算案を、もっと詳しく堺市民に届けることにするで。重点施策と予算の1つ1つは記事の後半に書いてるから、気になる箇所がある人はそっちを見てな。
まず堺市の令和7年度(2025年度)当初予算案の規模な。一般会計は4,879億円(前年比+204億円、+4.4%)で、過去最大になる見込みや。社会保障関係費や人件費の増加が主な理由とされてる。
この予算案では、市債の発行をできるだけ抑えつつ、社会保障の充実や都市機能の強化を進める計画になってるで。万博をきっかけにした観光や地域の活性化策も盛り込まれてて、これからのまちづくりに向けた取り組みが詰まってるで。以下は全体の予算規模な。
一般会計:4,879億円
特別会計:2,598億円(前年比△0.5%)
企業会計:903億円(前年比+2.6%)
合計:8,380億円(前年比+2.6%)
市税収入が増えて、個人市民税も大きく増加
一般会計の歳入では、市税収入が1,620億円(前年比+93億円、+6.1%)と増加。特に、個人市民税が662億円(前年比+79億円、+13.5%)と大幅に増えてる。これは昨年度に実施された定額減税の終了が影響しているとみられる。
また、法人市民税は103億円(前年比+13億円、+13.9%)と増加。固定資産税はほぼ横ばいの613億円(前年比+0.3%)となった。
地方交付税が増えて、市債発行は抑えられる見込み
地方交付税は573億円(前年比+114億円、+24.8%)と大きく増加。一方、市債発行は236億円(前年比△115億円、△32.7%)と抑制される見込み。特に昨年度に107億円発行された臨時財政対策債はゼロとなってるで。
また、国庫支出金などの「その他」の歳入も2,097億円(前年比+6.5%)と増加し、社会保障費の増加を支える財源となる。
歳出の内訳(一般会計)
2025年度の一般会計歳出は4,879億円(前年比+204億円、+4.4%)となる見込み。主な内訳は以下の通り。
人件費:981億円(前年比+20億円、+2.1%)
扶助費(社会保障費):1,687億円(前年比+117億円、+7.5%)
公債費(借金の返済):276億円(前年比△14億円、△4.8%)
投資的経費(インフラ整備など):419億円(前年比△25億円、△5.7%)
その他:1,516億円(前年比+106億円、+7.5%)
扶助費(社会保障費)が大幅増(+7.5%)し、全体の予算増加の要因となっている。一方、公債費や投資的経費は減少したで。
令和7年度の重点施策 ※千円の単位は読みやすいように切り捨てたで
こども誰でも通園制度の試行実施(9,487万円)
一定の条件下で就労要件を問わず、教育・保育施設を利用できる制度を試験的に導入。
一時保護所サテライトの新設(2,755万円)
新設により入所定員を拡充(6名分)。
全員喫食制中学校給食の開始(26億2,348万円)
令和7年6月から中学生への学校給食提供を開始。
学校給食費無償化の段階的実施(11億1,471万円)
小学校(特別支援学校を含む)で無償化を段階的に実施。
令和7年度は1~2年生、令和8年度は1~4年生、令和9年度以降は小学校全学年で実施予定。
特別支援学校分校の整備(4億4,514万円)
令和8年4月開校をめざし、宮園小学校敷地の一部を特別支援学校分校として整備。
学校体育館の空調整備(11億1,438万円)
計画的に体育館の空調設備を整備。
校外学習におけるバス借上料高騰分の支援(8,940万円)
保護者負担のバス代高騰分を支援。
堺市こども自殺危機対応支援チームの設置(268万円)
教職員の「自殺危機対応スキル」の向上、心理的ストレス低減のため、専門家等による支援チームを設置。
教員の働き方改革の推進(1億605万円)
教材費等の学校徴収金の公会計化に向けた管理システムを構築。
大規模災害発生時の拠点応急救護所の増設準備(1,736万円)
医療機関と連携し、トリアージや応急処置、搬送を行う拠点応急救護所の増設準備等を実施。
大規模災害時の通信環境確保(9,740万円)
防災拠点のインターネット通信環境を確保するため、衛星通信機器を導入。
上下水道施設の耐震化(52億3,183万円)
災害時の安全な飲料水・衛生環境確保のため、上下水道一体で耐震化を推進。
特殊詐欺撲滅への取り組み強化(588万円)
「さかい運動」で、警察や地域、事業者等と連携した被害防止の取り組みを推進。
クビアカツヤカミキリ防除の推進(9,624万円)
防除講習会の開催、公園・道路・河川・学校の対象樹木の防除を実施。
消防活動におけるドライブレコーダー映像の活用(3,500万円)
現場付近を走行する車両の映像を活用し、迅速かつ適切な消防隊の投入や経路選定を強化。
介護予防「あ・し・た」プロジェクトの拡充(3,830万円)
地域での自主的なプログラム運営を見据え、地域拠点を設けてパイロット事業を実施。
障害者(児)に対する緊急時の受付・対応の強化(279万円)
地域生活支援拠点の増設や、自宅等への駆け付け支援を実施。
がん患者のウィッグ・人工乳房等購入費用の助成(1,046万円)
補整具(ウィッグ・人工乳房等)の購入費の一部を助成。
戦後80年を契機とした平和学習の推進(595万円)
堺大空襲の語り部育成や、大規模商業施設での講演会を実施。
都市OSを活用したスマートシティの推進(3,126万円)
図書館情報システム「堺・せんぼくポケット」と「my door OSAKA」のID連携を実施。
大阪・関西万博と連携した魅力発信・次代への継承(1億4,450万円)
堺の魅力を国内外へ発信する万博会場催事を実施。
こどもたちの国際感覚の醸成等につながる取り組みを推進。
万博の機運醸成と本市の魅力発信を強化。
大阪・関西万博を契機とする誘客の促進(2億3,189万円)
運行をめざすガス気球に招待する「こども気球体験」や歴史的建築物の施設整備支援等により、優良な観光コンテンツの創出・磨き上げを促進。
観光ツアーへの一部補助、宿泊事業者へのエネルギー価格高騰支援等により市内周遊を促進。
観光関連団体と連携したPRや万博会場への駅シャトルバス車内でのPR等効果的なプロモーションを展開。
堺ゆかりのスポーツチームとの連携推進(100万円)
「企業版ふるさと納税」を活用し、堺市を拠点とするプロスポーツチーム等と連携した取り組みを実施。
(仮称)堺ミュージアム整備に向けた検討(162万円)
懇話会を設置し、基本構想(案)を策定。
産業に創造・革新をもたらす企業投資の誘導と都市拠点の強化(3億5,179万円)
「堺市イノベーション投資促進条例」を一部改正し、脱炭素エネルギー供給拠点の対象への追加、中百舌鳥地域のエリア拡張等を実施。
脱炭素社会の実現に貢献する革新的技術関連への投資費用を補助。
「堺市イノベーション投資促進条例」を一部改正し、脱炭素エネルギー供給拠点の対象への追加、中百舌鳥地域のエリア拡張等を実施。
脱炭素社会の実現に貢献する革新的技術関連への投資費用を補助。
中小企業における生産性向上の促進(1億1,334万円)
DX(デジタルトランスフォーメーション)の実践にあたり、専門家の伴走支援等によるサポートを実施。
大学との事業連携による取組や、万博を契機とした国内外への発信をめざす取組など、新事業へのチャレンジを支援。
先端設備等の取得に要する費用を補助。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の実践にあたり、専門家の伴走支援等によるサポートを実施。
大学との事業連携による取組や、万博を契機とした国内外への発信をめざす取組など、新事業へのチャレンジを支援。
先端設備等の取得に要する費用を補助。
女性活躍推進の取組強化(485万円)
女性の採用や定着を進めたい企業を対象に、専門家を派遣し、柔軟な働き方の導入を支援。
妊娠初期の家族等を対象に、育休取得・家事育児参画促進セミナーを実施。
地産地消プロジェクトの推進(10億2,113万円)
フィジカルPPA等の推進のため、自己所有やリースによる太陽光発電設備を補助対象に追加。
府営竹城台第3住宅活用地で、「次世代ZEH+」の住宅の建築費用を補助。
ESCO事業による本庁舎ZEB化改修を開始。
堺東エリアの活性化(979万円)
南海高野線の連続立体交差化を見据え、駅街区周辺整備の方向性等を検討。
SMIプロジェクトの推進(2億8,188万円)
自動運転の走行及び正着、停留所の滞留空間の創出等に係るSMI都心ライン実証実験を実施。
SMI都心ラインの実空間では再現が困難なケースを3Dシミュレーションで検証。
本格運行に向けてSMI美原ライン実証実験を実施。
公共交通の利用促進(1,473万円)
「堺おもてなしチケット」のデジタル化及び万博期間中の割引等に要する費用を支援。
泉北ニュータウン版マイホーム借上げ制度の実施(250万円)
戸建て住宅を若年・子育て世代に最低6年間貸し出すことを条件に、リフォーム費用を最大50万円補助。
大和川沿川における自転車賑わい拠点の整備(1億3,200万円)
自転車体験施設やサイクルサポート機能を有する拠点を整備。
重点施策だけでもこれだけあったら新聞紙の紙面が足らんやろ。だからサカイタイムズは書くねん。2025年度の堺市の予算案では、社会保障関係費や人件費の増加に対応しながら、市債発行を抑えつつ、地域の発展を支える施策が多く盛り込まれるちゅうことやな。万博をきっかけとした観光や産業振興、スマートシティ化の推進など、まちの未来を見据えた取り組みも目立つわ。
クビアカツヤカミキリっていう虫の駆除にも約9,600万円かけるから大発生してるいうことやで。サカイタイムズが毎日報じているサギ電コーナーの「特殊詐欺撲滅への取り組み強化」の予算は588万円で主に啓発活動やから効果は薄いかもしれん。
意見が分かれそうなところは、堺駅と堺東駅を自動運転バスで結ぶための実証実験などに、約2億5000万円とを計上してるとこと、万博関連に堺市が約4億7000万円を計上してるとこやろうな。
自動運転バスは前年度に議会が反対して、国の補助金が下りなかったため見送った。大阪万博は堺市が予算計上しても費用対効果は低いことは誰でもわかるとこ。ただし、行政は黒字になることが目的とちゃう。堺市民にとって良いのかどうかが問われることになる。いずれにせよ、必要かどうかは堺市民が考えなあかんことでもあるで。同予算案は13日開会の2月定例市議会に提出、審議を経て正式に決まる予定になってる。
※サカイタイムズでは堺市民にわかりやすいよう堺弁で書いています。堺弁β版について