南海本線高架化 完成は2034年へ再延期 背景に基準改訂と物価高騰
諏訪ノ森駅と浜寺公園駅の歴史ある駅舎は保存しながら新しい高架駅舎に変わるんよ
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(配信:2025/8/26 02:54)(写真:堺市HPより)
工事期間の延長と事業費の増加
堺市と高石市にまたがる南海本線の高架化事業(連続立体交差事業)は、完成予定が再び延期されることになったんよ。2025年8月15日付で大阪府知事が事業計画の変更を認可し、完成時期は当初2018年の予定から16年遅れて2034年3月末に延長されたんやわ。総事業費も当初の423億円から、現在は約680億円へ膨らんでるねん。つまり、当初の完成予定から16年も延び、事業費も約1.6倍に増えたわ。
事業の目的と範囲
対象は諏訪ノ森駅から浜寺公園駅付近までの約2.7km。南海本線を高架化して7か所の踏切を除却することで、渋滞や事故の解消を図る計画やで。合わせて、騒音や排気ガスの軽減、市街地の一体的な発展も狙いとされているんよ。
駅舎整備と旧駅舎の保存
今回の事業には、諏訪ノ森駅と浜寺公園駅の高架駅舎整備も含まれてるで。両駅とも新しくバリアフリー対応の駅舎が建てられる一方で、歴史的価値のある両駅の旧駅舎は保存・活用される予定やわ。利便性と景観の両立を目指す取り組みとして、市民の注目を集めているんよ。
延期に至った経緯
この事業は2006年に都市計画事業として認可され、当初は2018年完成を目指していたんよ。ところが、用地取得の長期化や隣接区間の工事との調整に時間がかかり、2014年には完成予定を2027年へ延期。その後も基準改訂や物価高騰が重なり、最終的に完成予定が2034年へと再延期されたんやわ。
遅れの主な理由
用地取得の長期化:地権者との調整が難航
隣接区間との調整:高石市側の高架切替の影響
鉄道基準の変更:耐震強化による設計見直し
物価高騰:資材や人件費の上昇で約75億円増
地盤・土壌問題:鉛を含む土壌の入れ替えや地盤改良が追加
新型コロナの影響:一部工事の遅延
現在の進捗と期待される効果
2025年時点で用地取得は99%が完了。工事の進捗率は事業費ベースで44%となっているねん。完成すれば、踏切渋滞の解消だけやなく、CO₂を年間約2,500トン削減できるほか、防災性の向上や駅前整備による地域のにぎわい創出が期待されているんよ。
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