調査報告書の公表
堺市は、市立中学校で発生したいじめ重大事態に関する調査報告書を公表したわ。
報告書では、対象生徒に対する発言やメッセージ、SNS投稿、グループLINEに関する行為など、14件がいじめとして認定されているねん。本記事では、報告書に記載された主な内容を要約。
主な認定内容
- 堺市いじめ重大事態調査委員会は、対象生徒に対する14件の行為をいじめと認定した。
- 認定された行為には、対象生徒に対する「ゴリラ」「きもい」という発言や、LINEで「しね」と送信した行為が含まれている。
- 関係生徒Aが、LINEアプリのアイコンを対象生徒の入っていない写真に変更した行為も、いじめとして認定された。
- 関係生徒AがSNS上に、対象生徒に対するメッセージと推察される内容を投稿した行為も認定対象となった。
- 部活動内で、対象生徒以外の同学年部員で写真を撮影し、SNS上に投稿した行為も認定された。
- 対象生徒を部活動の3年生グループLINEに復帰させなかった行為も、いじめとして認定された。
- 試合会場へ向かう際に対象生徒を1人にしたり、練習中や移動の際に会話に入りにくい状態にしたりした行為も認定された。
- 後輩にお菓子を渡すことについて、対象生徒が準備できていない状態で、対象生徒以外の同学年部員だけで後輩にお菓子を渡した行為も認定された。
対象生徒について
- 対象生徒は、市立中学校に在籍していた女子生徒。
- 報告書によると、対象生徒は支援学級に在籍していた。
- 通常学級で授業を受けたり、休み時間を過ごしたりすることもあった。
- 入学当初は、支援学級で主に国語と数学の授業を受け、気持ちがつらい時に落ち着くための居場所として支援学級を利用する予定だった。
- 本件発生後は、授業や休み時間を含めて、支援学級で過ごすことが多くなったとされている。
入学前の引き継ぎ
- 対象生徒の入学前、教育委員会から中学校へ、対象生徒に関する小学校在学時のいじめ重大事態について説明が行われた。
- 他の生徒の引き継ぎとは別に、小学校から中学校へ対象生徒についての引き継ぎ会が行われた。
- 対象生徒の保護者は入学前に中学校を訪問し、過去のいじめ事象について重大事態報告書を示して説明した。
- 保護者は、対象生徒の発達課題に対する配慮も求めた。
- 報告書には、対象生徒が小3から支援学級に入級していたことも記載されている。
1年時の主な経緯
- 対象生徒と関係生徒Aは、通常学級が同じクラスだった。
- 対象生徒は、関係生徒Aを含む同学年の友人5人で作るLINEグループに入っていた。
- 関係生徒A個人のLINEアプリのアイコンが、対象生徒以外の4人で撮った写真になっていることに、対象生徒が気づいた。
- 対象生徒はそのことを担任に相談した。
- その後、担任と支援学級担任が家庭訪問した際、対象生徒の保護者は、対象生徒が仲間外れにされているので、いじめではないかと尋ねた。
- 関係生徒AはSNS上に、対象生徒に対するメッセージと推察される内容を投稿した。
- 対象生徒は、関係生徒Aからのいじめ行為による心身の苦痛などを理由に、当初入っていた部活動を退部し、別の部活動に転部した。
2年時の主な経緯
- 対象生徒は、関係生徒Aとは別のクラスになった。
- 一方で、関係生徒Bと同じクラスになり、同じ部活動でも関わりがあった。
- 部活動内で、関係生徒Bが対象生徒に対して厳しい言葉で注意した行為が、いじめとして認定された。
- 関係生徒Bが、対象生徒に対して「友だちはいいけど対象生徒はあかん」という趣旨の発言をした行為も、いじめとして認定された。
- 対象生徒が教室で関係生徒Jの椅子を直そうとして触れた際、関係生徒Jが「最悪」と言い、関係生徒Bが「ドンマイ」と言った行為も認定された。
- 関係生徒Kが対象生徒に「しね」というメッセージをLINEで送信した行為も認定された。
- 部活動内で、複数の部員が対象生徒に対して「ゴリラ」と発言した行為も認定された。
- 部活動内で、同学年の部員が対象生徒に対して「きもい」と発言した行為も認定された。
3年時の主な経緯
- 3年時には、部活動内で対象生徒と他の部員との関係が悪化したと報告書に記載されている。
- 試合の日に、対象生徒以外の3年生部員で撮影したと思われる写真がSNS上に投稿された。
- 対象生徒は、その撮影に呼ばれていなかった。
- 対象生徒は、部活動のグループLINEへの復帰を求めた。
- 関係生徒Bを含む数名の生徒は、対象生徒とのLINEをブロックしていた時期があった。また、長期間未読スルーの状態だったことも記載されている。
- 対象生徒がグループLINEに復帰したいと部員に伝えても、「グループLINEは消えた」という趣旨の発言をした部員もいた。報告書では、実際にはグループLINEは消されていなかったとされている。
- 対象生徒は、グループLINEに復帰できない状態のまま、8月に部活動を引退した。
対象生徒の心身の状態
- 対象生徒は1年時の6月、担任に対し、泣きながら「校舎の窓から飛び降りたらどうなるだろう」「死にたい」といった発言をした。
- 1年時の10月、対象生徒はカッターナイフで左手人差し指を傷つける行為をしたと教職員に伝えた。
- その後、対象生徒は「指を切ったのは死にたいと思っていたから。その理由は分からない」と説明した。
- 1年時の12月、対象生徒は手の甲を切っていること、切るのが楽しくてやめられないことを教職員に申告した。
学校側の対応に関する記載
- 報告書によると、学校は当初、LINEアプリのアイコン変更について、いじめ認知しないまま対応を進めた。
- 対象生徒の「死にたい」という発言について、学校はその日のうちに保護者へ連絡しなかった。
- 12月の家庭訪問の際、教頭は対象生徒と保護者に対し、「学校としては自傷をした心当たりがない」「本人がわからないと言っているから、いじめにおける苦痛と自傷行為と関連があるかどうかはわからない」「関係生徒Aが現在はいじめをしているとかではない」「手首ではないから度合い、気持ちの度合いが違う」「切ることによって気持ちを聴いてもらいたい訴え」といった発言をした。
- 報告書は、これらの発言を聞いた対象生徒と保護者が深く傷ついたとしている。
調査報告書について
- 堺市教育委員会は、本件について、いじめ防止対策推進法第28条第1項第1号に掲げる重大事態に該当するとした。
- 堺市いじめ重大事態調査委員会は、対象生徒に係るいじめの事実関係、背景にある事情、再発防止に向けた提言を目的として調査を行った。
- 調査報告書は堺市ホームページで公表されている。
堺市ホームページ
https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/kyoiku/tetsuzuki/ijime_boshi/77636620231020100644044.html