堺市北区に「LITALICOジュニア北花田教室」11月1日オープン 発達障害やその傾向のある未就学児を支援

個別・集団の療育や保護者支援も 内覧会を辻村早織さんが取材

街のニュース
サカイタイムズ
LITALICOジュニア北花田教室の模擬授業で、スタッフと向かい合いながら活動する子ども
スタッフと子どもが向かい合って進める模擬授業の様子

11月1日、北花田に開所

児童発達支援事業所「LITALICOジュニア北花田教室」(堺市北区北花田町)が11月1日、オープンする。同教室では、発達障害やその傾向のある0〜6歳の未就学児を対象に、言葉でのコミュニケーションや感情のコントロール、集団生活など、一人ひとりの特性や成長に合わせた療育を提供する。

PAPAMO株式会社が、小学1〜3年生の子どもを持ち、就学前に子どもの発達などに不安を抱えた経験のある保護者1000人を対象に実施した全国調査では、47.8%が実際の相談には至らなかったと回答。様子を見ていてよいのか判断できなかったことなどが理由に挙げられている。

こうした早期相談・支援のニーズを背景に開設される同教室。堺市北区では2拠点目となり、10月25日には報道関係者向けの内覧会が開催された。今回は辻村早織さんが取材を担当し、模擬授業や教材、教室内の工夫などを紹介する。

模擬授業で3つの活動を紹介

気をつけ、ビシッ! 「これからリタリコはじめます。よろしくお願いします」。10月25日の内覧会では、スタッフの掛け声と子どものあいさつから模擬授業が始まった。「あいさつバッチリ! 素晴らしい!」とスタッフが声を掛けるなど、和やかな雰囲気で進められる。授業では、スタッフの説明を聞き、質問するときには手を挙げるというルールが設けられていた。

この日は「ボーリング」「くみくみ」「カプラ」の3つの活動を用意。ボーリングでは、子どもが好きな形のブロックを10個選び、並べて倒す活動が行われた。組み立て式の教材を使う「くみくみ」や、木製の細長い積み木を使う「カプラ」も取り入れられている。

LITALICOジュニア北花田教室で使用する、姿勢や行動のルール、気持ちの表現を視覚的に伝える教材
座る姿勢や挙手のルール、気持ちの強さや表情を示す教材

模擬授業に参加した子どもは、カプラが特に好きだといい、「1時間遊びたい!」と希望する場面もあった。

LITALICOジュニアでは、子どもの発達状況に合わせて目標を細かな段階に分け、達成経験を積み重ねる支援を行っている。また、個別支援で身につけたことを小集団や集団での活動にもつなげ、ルールの理解や自分の希望を伝える練習など、教室では日常生活に近い活動を取り入れている。

絵カードや「脚ゴム」で支援

教室では、子どもがルールや行動の手順を視覚的に理解できるよう、文字とイラストを組み合わせた案内や絵カードが活用されていた。

例えば、トイレの場所や手洗い・うがいの手順、座る姿勢、困ったときに手を挙げることなどを文字とイラストで表示。さまざまな表情を描いたカードや、気持ちの強さを5段階で表す「きもちのおんどけい」など、自分の気持ちを表現するための教材も用意されていた。

椅子の脚には、青いゴムバンドを取り付ける工夫も見られた。教室長によると「脚ゴム」と呼ばれるもので、動きたい、走りたいといった欲求のある子どもが、座ったまま足を動かせるようにするためのものだった。じっと座ることだけを求めず、子どもの特性に合わせて環境を整えている。

LITALICOジュニア北花田教室で、子どもが座ったまま足を動かせるよう椅子の脚に取り付けられた青いゴムバンド
座ったまま足を動かせるよう、椅子の脚に取り付けられた「脚ゴム」

集中しやすい教室環境

教室内は、物を必要最小限に抑えたシンプルな空間となっている。教室長によると、子どもの注意がそれないようにするため。声掛けや注意の伝え方も、できるだけ簡潔にすることを心掛けているという。

また、活動中に休憩が必要になった際に利用できるスペースも設置。教室長は、子ども自身が「休憩したい」と伝えられることも大切なスキルだと説明した。教室内にはカメラが設置され、保護者が子どもの活動の様子を映像で確認できるようになっている。

教室の外でもできることを目指す

運営する株式会社LITALICOは、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げている。障害を本人だけの問題として捉えるのではなく、社会や周囲の環境にも目を向け、困りごとを減らしていくという考え方だ。

LITALICOジュニア北花田教室の模擬授業で、ブロックを使った活動中にスタッフとハイタッチする子ども
ブロックを使った活動で、スタッフとハイタッチする子ども

教室長は「LITALICOだからできた、ではなく、LITALICOを出た後もできるような支援を心掛けている」と話す。教室内でできることを増やすだけでなく、日常生活でも自分の気持ちや必要なことを伝えられるようにすることを重視している教室なのだ。

なお、LITALICOは、保育園や幼稚園などと連携し、園側との調整など条件が整った場合には訪問支援にも対応。保護者に対しても、子どもの様子や支援プログラムの目的、家庭で実践できる関わり方などを伝える。希望に応じて、子どもの行動の捉え方や関わり方を学ぶ保護者向けプログラムも提供している。

無料体験や問い合わせを受付

LITALICOジュニア北花田教室では、無料体験の申し込みや電話での問い合わせを受け付け。無料体験は、正式な通所利用に必要な「通所受給者証」を持っていなくても申し込める。

教室の所在地は堺市北区北花田町2-199-4の2階で、Osaka Metro御堂筋線「北花田駅」から徒歩4分。営業時間は10時〜19時で、土日祝日も営業する。

正式な通所利用には通所受給者証が必要となり、取得に向けた手続きについても相談を受け付けている。具体的な利用条件や費用、支援時間などは教室への確認が必要。

※社名「LITALICO(りたりこ)」の由来は日本語の”利他(人への思いやり・社会の幸せ)”と”利己(自分の幸せ・自己実現)”を組み合わせた造語

公式ページ:LITALICOジュニア北花田教室

取材後記|辻村早織

私は障害当事者です。今回、LITALICOが掲げる「障害のない社会をつくる」という理念を初めて聞いたとき、正直なところ「障害のある私は、居てはいけないのかな?」と感じました。

しかし、取材を進めるなかで、障害は本人だけの問題ではなく、社会や環境との関係の中にあるという考え方を知りました。

一人ひとりの自分らしさを大切にし、困りごとや生きづらさに対して、本人だけでなく周囲の環境にも働きかけていく。担当者の話を聞くうちに、最初に感じた戸惑いは次第に薄らいでいきました。

サカイタイムズのニュースレター見本(クリックで拡大) クリックで拡大

こうしたメールが届くようになります

希望する方は入力欄にメールアドレスを入れ「登録を完了する」ボタンをクリックしてください