運送から、町のくるま屋へ
20歳で運転免許を取ったものの、自分の車はなかった。それでも「車を運転したい」という思いから運送会社に入り、最初に与えられたのはボロボロの軽自動車だった。
堺市堺区京町通で株式会社ピットラインを営む濵頭繁生さんは、運送会社としての歩みを持ちながら、自動車修理や中古車販売などにも取り組んでいる。
運送業で働き、会社の倒産危機をきっかけに独立。自社車両を整備してきた経験から、車検や修理にかかる費用で困る人の存在を知り、くるま屋としての事業も広げてきた。
「運送会社でもあり、くるま屋でもあります」。そう話す濵頭さんに、これまでの仕事、堺との関わり、これからの店づくりについて聞いた。
氏名:濵頭繁生さん
職業:株式会社ピットライン代表取締役
事業拠点:堺市堺区京町通
堺での仕事歴:20年以上
主な事業:運送、自動車修理、中古車販売
経歴:運送会社勤務を経て34歳で独立
現在の取り組み:気軽に相談できる町のくるま屋づくり
Q1
これまで、どんな仕事をしてきましたか?
私は20歳の時に運転免許を取得しました。家族も私自身も車を所有していなかったのですが、「車を運転したい」という思いだけで運送会社に入社しました。
免許を取り立ての私にあてがってもらった車は、ボロボロの軽自動車でした。それでも社長から「好きに使っていいから大事にしろよ」と言われた時は、社長が神様のように思えました。
ただ、当時の運送業界を私は甘く見過ぎていました。日曜日や祝日も関係なく、早朝から夜間まで走り回り、椅子に座って昼ご飯を食べる時間もありませんでした。かといって、周りの友人たちより稼げているわけでもありません。
3人の子どもも大きくなっていく中で、いつまでこの仕事を続けるべきか、何度も悩みました。それでも気づけば入社から14年がたち、100人規模の会社で次長というポジションになっていました。
倒産危機から独立へ
34歳の時、会社が倒産の危機に直面しました。そこから独立し、やはり運送会社を設立しました。15人ほどの小さな会社ですが、当社には自分たちの車両をメンテナンスしてくれる整備士がいました。
それまで車に関しては、簡単なことは自分でいじったり、従業員である整備士にお願いしたりしていました。ディーラーや修理工場に依頼する機会が、私にはあまりなかったのです。
知り合いの運送業者さんからいろいろな話を聞くうちに、日々のメンテナンスや車検、修理などに、私たちより大きな費用がかかっていることが分かりました。
「うちだったらもっと安くできるんじゃないか」
「知り合いだから、運送仲間だから、安く直してあげよう」
自動車修理業を始めることになったのは、そんなきっかけでした。それが現在のピットラインです。運送会社でもあり、くるま屋でもあります。
Q2
いまの生活の中で「自分らしい日常だ」と感じる場面とは?
気持ちの中では「仕事人間」とは思いたくありません。ただ、30年間も曜日や時間に関係なく、常に頭のどこかで仕事のことを考えている日常が当たり前になってしまいました。
時代的にも、しっかり休日を取れる業界になってきました。3人の子どもたちも成人し、趣味を楽しむ時間も増えました。それでも、予定のない休日には、ふらっと会社のドアを開けてしまいます。
それが、実は自分らしいのかもしれません。
Q3
「ここで生きてきた実感がある」と感じる場面とは?
生まれも育ちも大阪市内です。前職の会社が途中で堺に移転したことがきっかけで、現在まで20年以上、堺で仕事をしています。お客様や知り合いにも、堺の人がたくさん増えました。
いまでは有名人やスポーツ選手などで「堺市出身」の人を見つけると応援したくなります。テレビで堺のお店が紹介されていると、つい見入ってしまいます。
そういう時に、いつの間にか自分も堺市の一員になっているんだと感じます。
Q4
人生の中で「大きな転機だった」と感じている出来事とは?
一つ目は、子どもが生まれたことです。上から女の子、男の子、女の子と、3人の子どもに恵まれました。子どもの成長とともに、自分自身も成長できていると感じることが多くありました。
地元の知り合いも、子どもを通じて広がったことが多かったです。現在の友人の多くも、子どもがいなかったら出会わなかった人たちだろうと思います。そう考えると、子どもの存在には感謝せざるを得ません。
二つ目は、前職の会社の倒産危機を受けて独立した時です。20歳の時から兄貴的な存在として慕い続けてきた、大好きだった社長が下した大きな決断でした。
当時の私は、会社のトップに立つような性格ではありませんでした。「二番手」という立場が、自分ではしっくりきていました。
でも、独立してからは、その性格を大きく変えざるを得ませんでした。まだまだ未熟者ですが、私自身を大きく変えた出来事であったのは間違いないです。
Q5
これからの人生について、現時点で考えていること
仕事においては、自動車修理や中古車販売業に、今まで以上に力を注ぎたいと考えています。自動車の修理やトラブルで修理工場に依頼するというのは、お客様にとってあまり良くない場面であることが多いと思います。そんな時に、気軽に相談してもらえるような、アットホームで便利なくるま屋を目指していきます。
車のことが分からないために、仕方なく多額の費用を支払っている人が多くおられることを知りました。車にかかる費用を少しでも抑えるお手伝いができればと考えています。
車は単なる道具ではない
これまでの経験やお客様と接してきた中で感じていることですが、車は単なる道具ではありません。ある人にとっては「宝物」、ある人にとっては「家族の一員」、ある人にとっては「恋人のような存在」でもあります。
きれいになった。新しくなった。かっこよくなった。快適になった。そう感じた瞬間に見せてくれるお客様の笑顔を、これからももっと増やしていけるよう頑張っていきたいと考えています。
「かゆいところに手が届く」「町の便利なくるま屋さん」。お客様から親しみを感じてもらえるような店づくりを目指しています。
株式会社ピットライン
株式会社ピットラインは、堺市堺区京町通にある運送会社・くるま屋。車の修理やトラブル、出張作業、代車対応、持ち込み部品の取り付けなどに対応している。
中古車購入では、頭金ゼロでの購入相談や、オークション会場からの直接仕入れにも対応。車両リース、オートローンの取り次ぎも行っている。
来店特典として、先着100人に割引券付きBOXティッシュを進呈する。また、公式LINEを友だち追加した人には、タイヤ空気圧とバッテリーの無料点検を無期限で実施する。
同社では、整備士とトラックドライバーも募集している。
所在地:大阪府堺市堺区京町通2-23
会社名:株式会社ピットライン
代表者:濵頭繁生
電話:072-245-9522
FAX:072-245-9544
メール:pit-line2014@iaa.itkeeper.ne.jp
公式サイト:https://pit-line.co.jp
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