堺市の認定こども園で虐待21件と不適切行為4件

保育教諭等5人が関与。堺市は施設名を非公表で改善勧告したわ

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サカイタイムズ

3/25/2026

認定こども園の日常のイメージ画像|堺市のニュースならサカイタイムズ
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5日間で虐待21件・不適切行為4件

堺市は3月25日、市内の民間幼保連携型認定こども園1か所で、令和7年9月25日、10月10日、14日、16日、17日の5日間に、保育教諭等5人が園児に対して行った虐待21件と不適切行為4件を確認したと公表したわ。市は3月23日付で運営法人に対し、認定こども園法に基づく改善勧告を行ったんやわ。施設名は公表してないで。

事案の全体像

・対象:園児
・関与:保育教諭等5人
・虐待:21件(身体的・心理的・ネグレクト)
・不適切行為:4件
・7件で身体的虐待と心理的虐待が重複

以下の行為は、聞き取り調査や保育日誌、指導計画、保育室内カメラ映像・音声の確認などにより明らかになったわ。

確認された虐待行為

確認された虐待は21件で、身体的虐待および心理的虐待、ネグレクトが含まれる。

(身体的虐待及び心理的虐待)
① 園児の耳をつかみ、勢いよく引き倒した。
② 他児の頭を叩いた園児に「なんで叩くんよ、あんたは」と大声で怒鳴り、頭を叩いた。
③ 勢いよくベビーベッドから降ろす、右手で頬を叩くように正面を向かせる、叩く勢いで両頬を挟む行為を繰り返し、「早くしてって言ってるよね。しつこいねん」、「わかった?」など威圧的な口調で言った。
④ 泣いている園児(乳児)に対して首が揺れるほどの強さで勢いよく抱えた後、布団上に放り出した。
⑤ 園児の背面から口元にコップを当て、のけぞるような姿勢になっているにもかかわらず、牛乳を無理に飲ませた。
⑥ 何の声かけもなく不意に園児の手を叩いた。
⑦ 園児の足首を持ち、勢いよく引きずり寄せ、頭を叩き、無理やり座らせ「座りなさい」と大声で指示した。

(身体的虐待)
① リトミック活動をしている際、ハイハイをしている園児の頭を叩いた。
② 床に寝転がっている園児の臀部を叩いた。

(心理的虐待)
① 泣き叫んで嫌がる園児(幼児)を0歳児のベビーベッドに寝かせ、他児の哺乳瓶を咥えさせようとした。
② 「抱っこでミルクとかないの!もう無理!」と大声で感情的に怒った。
③ 牛乳を無理に飲ませる行為を同じ円形テーブルに座る複数他児の面前で行った。

ネグレクトの内容

(ネグレクト)
① 泣き続ける園児(乳児)に対し、情緒的欲求に応えなかった。
② 園長は他の職員等がこどもに対し、不適切な指導を行っている状況を放置した。

不適切な行為

虐待に該当しない不適切な行為は4件確認された。

① 他児を押した園児の右肩あたりを手で強く押した。
② 排泄後の着脱の際、ズボンを手に持ったまま歩き出そうとした園児の臀部を叩こうとした。
③ 寝転がっている園児の両足首を持って、両足を交互に上下に揺らしながら後方に3メートルほど場所を移動させた。
④ 園児の足首を持って無言で職員の元へ引き寄せた。

発覚から勧告までの経過

・10月28日 不適切保育の通報
・10月30日 市が訪問しカメラ映像確認、安全確保を指示
・11月5日・7日 聞き取り調査
・11月10日 当該園において本事案の調査を開始
・11月17日 立入調査(特別監査)
・11月25日 法人が調査報告提出
・12月17日・24日・25日 追加聞き取り
・3月23日 改善勧告

施設名が出ていない理由

堺市は、本事案の公表に当たっては、こども家庭庁の「保育所や幼稚園等における虐待の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」に基づき、虐待等の防止に向けた各自治体の取組に反映することを目的としているねん。
また同ガイドラインでは、公表は制裁を目的とするものではなく、虐待を受けたこどもや他のこどもへの影響に十分配慮することが求められており、堺市はその観点から当該園の施設名等を非公表としているんやわ。

虐待に至った背景要因

堺市は、保育施設における虐待等の発生について、その背景要因を公表。園の組織風土や指導体制、職員間の関係性など複数の要因が重なり、不適切な保育行為に至ったとしているねん。

背景要因の詳細

○ 園児に対する厳しい指導が園の組織風土として過去から根深く継承されており、「〇〇させないといけない」という古い保育観に基づく食事指導や取組活動等、園児主体ではなく保育教諭主導の教育・保育が実践されていた。

○ 勤続年数が長いアルバイト職員等が行う過去の教育・保育方針に意見し難い雰囲気があり、園内における園長及び保育教諭間のパワーバランスが崩れ、厳しい指導が行き過ぎた指導に至っても、変え難い状況にあった上、園長も、行き過ぎた指導を変える必要性を認識していたが、必要な手立てを十分講じていなかった。

○ 指導が園児や保育教諭の面前で行われており「そこまでしなくても」という思いを持つ者がいたが、これらに対する園長や主任に相談する体制が組織として制度化されておらず、保育教諭間での日々の振り返りや気づきとして具体に声をかけ合うなどの改善も図られない状況であった。

○ 乳児や幼児など年齢に合わせた適切な関わりや教育・保育に関して、担当保育教諭への指導が十分であったとは言えず、園児への望ましい関わり方や教育・保育に関する引継ぎも十分ではなかった。

○ 教育・保育に関する研修等にも多数参加していたものの、研修での学びを職員間で共有し自身のことと考え、日々の教育・保育に活かす機会も十分ではなかった。

○ 教育・保育要領に記載のある教育・保育内容を計画し、実践を通して日々の振り返りを行い、園児にとって、より良い計画や内容に改善していくことや、園内においてコミュニケーションが日頃から活発にでき、風通しのよい職場環境を作るなど、園としての責務を果たせていなかった

改善勧告の内容と今後

市が示した改善項目は次の通り。

・園児の心に寄り添った保育を行うこと
・保育理念やこども理解を振り返り、再発防止に向けた取組方針を策定すること
・園長を含む全職員に対し、虐待防止研修を徹底し、こどもの人権を尊重する意識を共有すること
・園児、保護者、職員にとって安全安心な環境を実現するため、組織風土の改善に取り組むこと
・園長の資質や管理能力の向上につながる研修を受講させ、保育教諭への適切な指導を行うこと
・職員面談などを通じた報告・相談体制を制度として整備すること
・園長および全職員の役割と責任を明確にすること
・必要な情報が全職員に共有される仕組みを構築すること
・日々の教育・保育について振り返りを行い、風通しのよい職場体制を形成すること
・教育・保育の質の向上に関する研修を徹底し、その内容を現場で活用すること
・市の指導結果や再発防止の取組方針について、保護者に適切に説明し信頼回復に努めること

改善状況の確認

市は、運営法人に対し、令和8年4月23日までに改善状況を書面で報告するよう求めたわ。報告後は現地で教育・保育の実施状況を確認するねん。

今後の対応

市は、当該法人への指導を継続しながら改善状況を確認。また、市内のすべての就学前教育・保育施設に対しても、本事案の発生を踏まえた注意喚起を行うとしているわ。

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