「ヒト巡る、市場」堺でマルシェ文化を広げる藤本樹林タワンさん
高校3年の失恋とラオス一人旅が原点。続くマルシェの仕組みづくりに挑む
インタビュー・特集


今週の堺人(サカイビト)Vol.7
失恋きっかけに始まったまちづくり
藤本樹林タワンさんは、高校3年生の時の失恋をきっかけにラオスへ一人旅に出て、価値観が大きく変わった。その体験を原点に堺でまちづくり活動を始め、いまは株式会社FELLOW ALL-PRODUCTSの代表として、マルシェの企画・運営や運営支援ツールの開発に取り組んでいる。単発で終わりがちな地域イベントを、続いていく仕組みに変えようとしているところに藤本さんの仕事の軸がある。
画像:藤本樹林タワンさんとマルシェの様子
プロフィール
氏名:藤本 樹林タワン
年代:25歳(2000年10月6日生まれ)
職業:株式会社FELLOW ALL-PRODUCTS 代表取締役
居住地:堺市西区
堺市居住歴:2024年10月まで堺市堺区、2024年10月から堺市西区
編集部注:タワンはタイ語で「太陽」という意味
Q1
これまで、どんな仕事をしてきましたか?
高校3年生の時から約7年間、地元・堺市のまちづくり活動に取り組んできました。「海外を旅した時くらい価値観が広がるまち」を堺につくりたいという想いから、4年前に『ヒト巡る、市場』というマルシェを立ち上げ、これまで6回開催してきました。
その活動の中で直面したのが、「価値ある場なのに、アナログな事務作業や運営の負担で主催者が疲弊してしまう」というマルシェ業界の現状です。この構造を根本から変えるため、関西学院大学在学時に株式会社FELLOW ALL-PRODUCTSを創業しました。現在は自らマルシェの企画・運営代行を通じて現場のリアルな課題に向き合いながら、「日本にマルシェの文化を根付かせる」というビジョンを掲げて事業を展開しています。
Q2
いまの生活の中で「自分らしい日常だ」と感じる場面とは?
堺市でまちづくり活動に取り組む中で、数え切れないほど多くの地域の方々と出会ってきました。今では、ふらっと立ち寄って語り合える行きつけのバーができたり、活動を通じて知り合った方のお店に足を運んだりするのが、私の「自分らしい日常」です。
お店で言葉を交わし、皆さんが教えてくれる堺のディープな情報に触れるたびに、自分の暮らしがどんどん鮮やかに、楽しくなっていくのを実感しています。自身が会社のミッションとして掲げている「暮らしを、出会いで豊かにする」という言葉を、私自身がこの堺の街で一番体感させてもらっている毎日です。
Q3
堺で暮らしてきた中で「ここで生きてきた実感がある」と感じる場面とは?
堺でまちづくりに関わっていると、出会う方の多くが堺出身です。そのため、初対面でも「どこの中学校出身?」というローカルな話題で一気に盛り上がり、すぐに打ち解けられるのが日常茶飯事です。
私が一番「ここで生きてきた」と実感するのは、そうして繋がった世代のまったく異なる先輩方と、フラットに意見を交わしながら一緒にまちづくりに取り組んでいる瞬間です。若者の挑戦を面白がり、年齢関係なく受け入れて一緒に汗を流してくれる。そんな堺の人々の温かさに触れるたび、この街を拠点にして本当に良かったと感じます。
Q4
人生の中で「大きな転機だった」と感じている出来事とは?
高校3年生の時の失恋です。当時、Googleで「失恋 立ち直り方」と検索して一番に出てきた『海外一人旅』をそのまま実践し、冬のラオスへ一人で向かいました。
そこで全く異なる生き方や価値観を持つ人たちと出会い、自分の常識や思考のブレーキが外れるような大きな衝撃を受けました。「こんな風に価値観が広がるような劇的な体験を、わざわざ海外に行かなくても、もっと気軽にみんなにしてほしい」。その強烈な想いが原動力となり、「海外を旅した時くらい、人の価値観が広がるまち」を地元・堺につくろうと決心しました。私のすべての原点です。
出店者と主催者をつなぐ運営支援ツール
いま開発しているのは、マルシェの出店者と主催者をつなぐ運営支援ツールです。現時点では開発中で、β版として少数に使ってもらっている段階です。出店募集一覧の管理、必要書類の一元管理、出店料のオンライン決済などをひとつのサイトで完結できるようにし、出店者側の手間を減らすと同時に、主催者側の運営負担も軽くすることをめざしています。


Q5
これからの人生について、現時点で考えていること。
「日本にマルシェの文化を根付かせること」です。その第一歩として、まずは地元・堺市に『100年続く定期開催のマルシェ』を立ち上げます。
同時に、私たちが開発している仕組みが全国のマルシェを支える土台になれば、運営者の負担が減り、持続可能なマルシェが日本中に増えていくと考えています。それによって日常の中で出店者との出会いが無数に生まれ、『暮らしを、出会いで豊かにする』というミッションを、この堺から実現していきたいです。
記事:笹野 大輔
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※サカイタイムズでは地元をもっと身近にするため堺市の「いま」を堺弁で伝えています(編集方針について)


