堺市が余剰電力の見える化へ
堺市は6月3日、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ、学校法人慶應義塾と「太陽光発電による余剰電力の地域循環型トレーサビリティ実証事業に関する連携協定」を締結したんやわ。堺市内の事業所の屋根に設置された太陽光発電で生じる余剰電力について、いつ、どこで発電され、どこで使われたのかを分かりやすく確認できる仕組みを実証するねん。
堺市では、国の脱炭素先行地域に選ばれた「堺エネルギー地産地消プロジェクト」の一つとして、市内事業所の屋根で発電した太陽光の余剰電力を市有施設へ供給する「堺市版オフサイトPPA事業」を進めているで。今回の協定は、この事業で得られる発電や消費のデータを活用し、再生可能エネルギーの地産地消を見える形にする取り組みとなるわ。
発電と消費を時間単位で確認
今回の実証で重要になるのが「アワリーマッチング」と呼ばれる考え方。これは、発電された電力と使われた電力を時間単位で結び付ける方法やねん。単に「再生可能エネルギーを使った」と扱うのではなく、どこで、どの時間帯に発電された電力が、どこで、どれだけ使われたのかを確認するわ。
アイ・グリッド・ソリューションズによる発表では、発電場所と消費場所の電力需給を30分単位で一致させる実証を行い、電力と環境価値の可視化を検証するとしているで。堺市の資料でも、発電と消費を時間単位で紐づけ、一致させる国際的な動向を踏まえ、国際基準に準拠した評価方法に基づく実証を行うとしているわ。
堺市民向けに簡単に言えば、次のような取り組みになるで。
- 市内の太陽光発電で余った電力を市有施設で使う
- その電気が、いつ、どこで発電されたものかを追えるようにする
- どの施設で、どれだけ使われたかを確認できるようにする
- 堺市内で再生可能エネルギーがどう循環しているかを見える化する
「地産地消」を数字で確認
太陽光発電は、発電した場所で使い切れない電力が出ることがあるねん。今回の実証では、その余剰電力を地域内でどう活用できているかを確認。堺市の表現では、エネルギーの「地産地消」の見える化になるんやわ。
アイ・グリッド・ソリューションズは、堺市版オフサイトPPA事業の小売電気事業者で、市内に設置された太陽光発電設備の余剰電力と、市役所本庁舎の消費電力のデータを管理している。アイ・グリッド・ソリューションズの発表では、同社は2026年2月から、地域内への電力供給を実施しているとしているねん。
※オフサイト:電気を使う施設とは別の場所。
※PPA:Power Purchase Agreementの略で、電力購入契約のこと。発電設備でつくった電気を、利用者が契約に基づいて購入する仕組み。
つまり堺市版オフサイトPPA事業は、市有施設とは別の場所にある市内の太陽光発電設備でつくった余剰電力を、契約に基づいて市有施設で使う仕組みやわ。
アイ・グリッド・ソリューションズと慶應義塾大学未来光ネットワークオープン研究センターは、トレーサビリティ技術(太陽光発電で生じた電気について、発電した場所、使った場所、量、時間を追跡・確認できるようにする技術)を活用した共同研究を進めており、堺市を実証フィールドとしたいとの申し出を受け、今回の協定締結につながったで。
3者の役割
協定書では、堺市、アイ・グリッド・ソリューションズ、慶應義塾の役割も整理されている。
堺市は、市有施設における実証フィールドの提供、関係部局との調整、実証事業に関する助言や支援、ホームページやイベントなどでの情報発信を担う。
アイ・グリッド・ソリューションズは、余剰電力データなど実証に必要なデータの提供、実証に使うプラットフォームやシステムの構築・運用、実証全体の企画、実施、取りまとめを担う。
慶應義塾は、トレーサビリティ技術や電力需給マッチングに関する学術的知見の提供、実証結果の分析、学術的観点からの検証、学会発表や論文などでの情報発信を担う。
協定期間は令和9年3月31日まで
協定の有効期間は、締結日の6月3日から令和9年3月31日まで。ただし、期間満了の2か月前までに3者のいずれからも書面による申し出がない場合、同じ条件で1年間自動更新されるで。
実証の成果を公表する場合は、事前に3者で協議し、方法と内容を決定。協定書では、本実証事業で取得または共有される情報やデータについて、関係法令を守って適切に管理し、個人情報や秘密情報を目的外利用しないことも定めているわ。
協定概要
名称:太陽光発電による余剰電力の地域循環型トレーサビリティ実証事業に関する連携協定
締結日:6月3日
締結者:堺市、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ、学校法人慶應義塾
実証内容:太陽光発電による余剰電力の発電場所、消費場所、量、時間を確認できる仕組みの実証
協定期間:6月3日~令和9年3月31日
堺市側の担当:環境局 カーボンニュートラル推進部 脱炭素先行地域推進室