堺市職員の給与引上げ勧告 行政職は月給約2.8%増相当、年収増は簡易試算で約22万円

比較対象の民間企業規模を2025年に50人以上から100人以上へ変更したわ

政治・行政
サカイタイムズ
堺市役所の外観

月給とボーナス引き上げ勧告

堺市人事委員会は2026年10月2日、市職員の月給とボーナスを引き上げるよう、市長と市議会に勧告した。行政職の月給は、民間との平均2.81%の差を埋めるよう給料表を改定し、一般の職員のボーナスは年間4.65か月分から4.70か月分へ増やす内容なんよ。

比較対象の平均月給に給与差を加え、月給全額をボーナスの算定基礎と仮定する簡易試算では、年収増は約22万円となる。これは市が公表した平均年収の増額ではなく、増額の規模を示すための独自試算。給与改定は、市議会で給与条例の改正案が可決された後に実施される。

比較する企業の規模を2025年に変更

市職員の給与を決める目安となる民間給与は、どの規模の企業を比較対象にするかによっても変わる。堺市人事委員会は2025年、堺市内に事業所がある民間企業との給与比較で、対象企業の規模を2025年に従業員50人以上から100人以上へ変更したで。従来含まれていた50~99人の企業を外し、100人以上の企業の給与を基準にする仕組みになったんやわ。

2025年の報告では、新旧の基準で算出した給与差が示されている。同じ年の資料で比較すると、次のようになる。

  • 2025年に100人以上へ変更した結果

比較する民間の月給水準は426,976円。市職員との差は12,614円で、引上げの目安は3.04%。

  • 2025年も従来どおり50人以上を対象にした場合

市職員との差は11,505円で、引上げの目安は2.77%。比較する民間の月給水準は、市職員の414,362円にこの差を加えると425,867円となる。

比較基準の変更によって、2025年の月給引上げの目安は平均1,109円、率では0.27ポイント大きくなった計算やで。これは2025年の資料で確認できる変更の影響。2026年について、従来の50人以上の基準で算出した給与差は今回の資料に掲載されていない。

給与の比較には、役職段階・学歴・年齢の条件をそろえる「ラスパイレス方式」を使っている。市の行政職に相当する民間の事務・技術関係職種を対象に、市職員と同等の条件の民間給与を当てはめ、市職員の給与との差を求める方法やねん。民間の数字は、市内の民間従業員全体の単純平均ではない。

2026年も企業規模100人以上の比較基準を継続し、調査対象も企業規模100人以上としている。市内の事業所自体の規模は、引き続き常勤従業員50人以上が条件となる。市の2025年の報告は、行政課題の複雑化・多様化や人材確保を背景とした国の見直しを踏まえ、公務の職務・職責に照らして適切な比較対象とするために変更したと説明している。

月給の差は11,886円、ボーナスは0.05か月分増

2026年4月時点の給与比較では、市の行政職の平均月給は423,372円、条件をそろえた民間の月給水準は435,258円だった。市職員の給与が11,886円、率にして2.81%下回っていたんよ。

比較対象の市職員の平均年齢は40.9歳、平均勤続年数は15.2年。市職員と民間従業員の双方で、2026年度の新規学卒採用者を比較から除いている。

月給はこの差を埋めるよう給料表を改定し、2026年4月1日にさかのぼって適用する内容。初任給は近隣市との均衡を考慮して引き上げ、他都市より給与水準が低い4級の職員層にも配慮するとしている。2.81%は平均の給与差を示す数字で、全職員が一律に同じ率で上がるという意味ではない。

ボーナスは、民間の年間支給割合が4.68か月分で、市職員の4.65か月分を上回った。勧告では0.05か月単位で調整し、一般の職員について年間4.70か月分へ引き上げるとしているんやわ。定年前再任用短時間勤務職員などには別の支給割合を勧告している。

増額分は期末手当と勤勉手当に均等に配分し、2026年は12月支給分に反映する。2027年度以降は6月と12月に振り分ける内容やで。

年収の増額は簡易試算で約22万円

比較対象の平均月給423,372円が毎月11,886円増え、月給全額をボーナスの算定基礎とみなし、年間支給月数が4.65か月分から4.70か月分へ増えると仮定した。年間を通じて勤務する場合の試算は次のとおり。

  • 月給の増額分:年間約14.3万円

11,886円×12か月=142,632円。

  • ボーナスの増額分:年間約7.7万円

改定後の月給435,258円×4.70か月分から、改定前の423,372円×4.65か月分を差し引くと77,032.8円。

  • 年収の増額分:合計約22万円

合計219,664.8円。この試算上の年収増加率は約3.1%。

実際の期末手当・勤勉手当は月給全額に支給月数を掛ける仕組みではなく、算定対象の手当や職務の級による加算などが異なる。今回の資料には改定後の具体的な給料表や平均年収の増額が示されていないため、この試算から実際の平均増額や個人の増額を確定することはできない。

現在の給与と勤務状況も公表

新規学卒採用者も含む給与実態調査対象の行政職の平均給与月額は、2025年4月の401,339円から2026年4月には422,616円へ増加。差は21,277円で、約5.3%増となった。これは今回の勧告による増額ではなく、勧告前の給与を前年と比較した数字なんよ。

この集計には育児休業中の職員や再任用職員などを含んでおらず、行政職全員の平均ではない。また、職員構成も変わっているため、同じ職員が一律に約5.3%昇給したことを示す数字ではない。

同じ集計の職員数は3,616人から3,585人へ31人減少し、平均年齢は40.7歳から40.9歳となった。

勤務状況については、教職員を除く行政職職員等の年間平均時間外勤務が、2024年度の114時間から2025年度は110時間へ4時間減った。一方、年間360時間を超えた職員は310人から314人へ増えている。

男性の育児休業取得率は、教職員を除く行政職職員等で2024年度の80.4%から2025年度の93.3%へ12.9ポイント上昇。学校園に勤務する男性教職員は2025年度50.5%で、前年度より3ポイント低下した。行政職職員等の男性取得者の約4割は、取得期間が30日未満だったんやわ。

女性管理職の割合は、2025年から2026年にかけて、教職員を除く行政職職員等で22.9%から24.0%へ、教職員で26.6%から29.1%へ上昇した。行政職職員等は各年4月1日、教職員は各年5月1日時点。2026年の目標は、それぞれ30%以上と35%以上となっている。

今回の勧告は、企業全体の常勤従業員が100人以上、かつ市内事業所の常勤従業員が50人以上の民間企業を基準に、市の行政職との月給の差を埋める内容。勧告に沿って改定されると、役職段階・学歴・年齢の条件をそろえた比較で、民間との給与水準の均衡を図ることになるんやわ。

資料:2026年の報告及び勧告・本文、2026年の参考資料、2025年の報告及び勧告・本文

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