1年生が20人以下の小学校は10校
堺市立小学校92校のうち、半数を超える50校は、どの学年も2クラス以下。今年の1年生が1クラスだけの学校は27校あり、1年生が20人以下の学校も10校ある。例えば、中区の宮園小は今年の1年生が7人、堺区の少林寺小と大仙西小はそれぞれ15人、安井小は22人。堺市教育委員会が10月26日に示した市立小・中学校の規模と配置の適正化に関する基本方針の案では、再編などの検討に着手する基準に、市立小学校32校が当てはまる。
基本方針案の基準に32校
堺市教育委員会は10月26日、市立小・中学校の規模と配置の適正化に関する基本方針の案を、有識者や保護者らから意見を聞く懇話会(第3回)に示した。案では、小規模化が進む小学校から取り組みを優先して進めるとし、着手の優先度の基準が示されている。
2026年5月1日現在の学級数をこの基準に当てはめると、該当する堺市立小学校は32校で、案ではこの32校すべてについて、校区の実情を把握し、取り組みの手法の検討に着手することを「行動指標」として掲げている。案自体も、11学級以下でクラス替えができない学年がある小学校を、2026年で32校としている。
ただ、再編するかどうかや再編の形は、校区の事情や保護者、地域との協議を踏まえて決めるとしていて、現時点で決まっている学校はない。なお、この32校のうち全学年が1クラスの学校は14校になる。
優先度の基準
案が示す着手の優先度は、次の2段階。学級数は支援学級を除いた数で数える。
- 優先度Ⅰ:6学級以下で、全学年が1クラス
- 優先度Ⅱ:11学級以下で、一部の学年が1クラス(クラス替えができない学年がある)
案では、小学校で12~24学級を「適正規模校」、11学級以下を「小規模校」としている。中学校は8学級以下が小規模校で、小学校の取り組みに合わせて進めるとしている。
一方、25学級以上の大規模校については、まずは施設の整備などで対応し、それだけでは課題の解消が難しい場合に、通学区域の見直しも検討するとしている。2026年5月1日現在では、三国丘小(32学級)と金岡南小(31学級)が、31学級以上の「過大規模校」に当てはまる。
再編の3つの考え方
案は、再編のイメージとして、架空のA・B2つの中学校区を例に、次の3つの考え方を示している。
- 適正規模の学校は、今のまま続ける:A中学校区で適正規模のC小学校は、再編の対象にならない
- 中学校区にとらわれない再編:A中学校区の小規模なD小学校と、隣のB中学校区の小規模なE小学校をまとめ、適正規模の学校にする
- 同じ中学校区の中での再編:B中学校区で、B中学校と、小規模なF小学校、G小学校をまとめ、施設が一体になった小中一貫校にする
このほか、義務教育学校の導入や、校区外からも通える特認校制度の活用など、複数の手法を比べて、学校や地域ごとに選ぶとしている。
再編までは約6年
案では、再編の流れの例として、保護者や地域住民への聞き取りなどで校区の実情を把握し、方向性や手法を共有したうえで、保護者や地域の代表、学校の教職員でつくる「再編懇談会」で、再編校の位置や開校時期、校名、通学の安全などを話し合うとしている。
聞き取りや方向性の共有には、一律の期間は設けない。再編懇談会で合意が得られた後は、施設の整備や開校の準備を計画的に進める。校舎の新設を伴う場合のスケジュールの例は次のとおり。
- 1~2年目:新しい校舎の計画
- 3~4年目:設計
- 5~6年目:工事と移転
- 7年目:開校
再編の決定から新しい校舎での開校まで、おおむね6年を見込んでいる。ただ、具体的な期間は、再編の内容や施設の整備の方法、校区の状況によって異なるとしている。
校区の小学校がすべて基準に当てはまる中学校区
32校を中学校区ごとに見ると、校区内の小学校がすべて基準に当てはまる中学校区が5つある。このうち3つは、中学校も小規模校(8学級以下)の基準に当てはまっている。
- 陵西中学校区(堺区):少林寺小(1年生15人)、大仙西小(15人)、安井小(22人)の3校とも全学年1クラス。陵西中も6学級
- 殿馬場中学校区(堺区):錦小(1年生25人)、熊野小(38人)の2校とも優先度Ⅱ。殿馬場中も8学級(夜間学級を除く)
- 若松台中学校区(南区):茶山台小(1年生23人)、上神谷小(19人)、若松台小(30人)の3校とも基準に当てはまり、上神谷小は全学年1クラス
- 大泉中学校区(北区):校区の小学校は大泉小(1年生30人)1校で、全学年1クラス。大泉中も3学級
- さつき野中学校区(美原区):校区の小学校はさつき野小(1年生27人)1校で、優先度Ⅱ。さつき野中も5学級
また、宮山台中学校区(南区)では竹城台小と竹城台東小、金岡北中学校区(北区)では光竜寺小と新金岡東小の、それぞれ2校が全学年1クラスとなっている。
※1年生の人数は、支援学級に在籍する児童を含む。
20年以上前からの課題
市の小学校の児童は、1981年度の9万5248人をピークに減り続け、2026年5月1日現在は3万7051人。
※1981年度の人数は、2005年に合併した旧美原町を含まない。
市は2002年にも「堺市小規模校基本方針」を定め、6学級以下の学校を再編の対象とする基準を設けていた。このときは、再編を同じ中学校区の中に限り、再編後も原則として1つの中学校区に小学校2校を残すとしていた。今回の案では、中学校区にとらわれない再編も選択肢に加えている。
2002年5月1日時点で、11学級以下の小規模校とされた小学校は12校。このうち6学級以下だったのは、湊小、少林寺小、安井小、晴美台東小、上神谷小、新金岡東小の6校で、湊小と晴美台東小は、この方針に基づいて統合された。残る4校は、今も全学年1クラスが続いていて、児童数は次のように変わっている。
- 少林寺小:181人(2002年)→ 99人(2026年)
- 安井小:184人 → 129人
- 上神谷小:196人 → 145人
- 新金岡東小:202人 → 185人
中学校では、2002年に6学級だった大泉中が、今は3学級になっている。
市ではこれまでに、小学校の再編を4例実施している。
- 2005年度:晴美台小と晴美台東小を「はるみ小」に
- 2007年度:湊小と湊西小を「新湊小」に
- 2013年度:高倉台小と高倉台西小を「泉北高倉小」に
- 2018年度:原山台小と原山台東小を「原山ひかり小」に
このうち、はるみ小と泉北高倉小は、今回の基準でも優先度Ⅱに当てはまっている。
母校の今は? 区別の一覧
市立小学校92校の2026年5月1日現在の児童数と学級数を、区ごと、中学校区ごとにまとめた。学級数は支援学級を除いた数で、中学校区の後ろのカッコ内は、その中学校の学級数(支援学級を除く)。校区が2つの中学校区に分かれている小学校は、両方に載せている。
堺区
浅香山中学校区(浅香山中10学級)
- 浅香山小:496人、17学級
- 錦綾小:200人、9学級(1クラスの学年が3、優先度Ⅱ)
旭中学校区(旭中11学級)
- 神石小:313人、12学級
- 大仙小:426人、14学級
大浜中学校区(大浜中12学級)
- 英彰小:342人、12学級
- 新湊小:380人、13学級
月州中学校区(月州中18学級)
- 市小:366人、12学級
- 錦西小:298人、12学級
- 三宝小:553人、19学級
殿馬場中学校区(殿馬場中8学級)
- 錦小:197人、7学級(1クラスの学年が5、優先度Ⅱ)
- 熊野小:249人、10学級(1クラスの学年が2、優先度Ⅱ)
三国丘中学校区(三国丘中22学級)
- 榎小:891人、27学級
- 三国丘小:1,028人、32学級
陵西中学校区(陵西中6学級)
- 少林寺小:99人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 大仙西小:88人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 安井小:129人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
中区
泉ヶ丘東中学校区(泉ヶ丘東中22学級)
- 西陶器小:272人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
- 東陶器小:673人、21学級
- 福田小:404人、14学級
八田荘中学校区(八田荘中10学級)
- 八田荘小:445人、15学級
- 八田荘西小:214人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
東百舌鳥中学校区(東百舌鳥中21学級)
- 白鷺小(校区の一部):507人、17学級
- 土師小:493人、17学級
- 東百舌鳥小:756人、24学級
平井中学校区(平井中17学級)
- 久世小:811人、25学級
- 深阪小:204人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
深井中学校区(深井中10学級)
- 東深井小:567人、18学級
- 宮園小:44人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
深井中央中学校区(深井中央中11学級)
- 深井小:395人、13学級
- 深井西小:305人、12学級
東区
登美丘中学校区(登美丘中19学級)
- 登美丘西小:606人、19学級
- 登美丘東小(校区の一部):342人、12学級
- 登美丘南小:501人、16学級
野田中学校区(野田中12学級)
- 登美丘東小(校区の一部):342人、12学級
- 野田小:643人、20学級
日置荘中学校区(日置荘中12学級)
- 日置荘小:644人、20学級
- 日置荘西小:264人、12学級
南八下中学校区(南八下中12学級)
- 南八下小:515人、18学級
- 八下西小:276人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
西区
上野芝中学校区(上野芝中12学級)
- 平岡小:455人、16学級
- 向丘小:516人、18学級
鳳中学校区(鳳中22学級)
- 鳳小:555人、18学級
- 鳳南小:899人、27学級
津久野中学校区(津久野中15学級)
- 上野芝小:479人、16学級
- 家原寺小:219人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
- 津久野小:328人、12学級
浜寺中学校区(浜寺中9学級)
- 浜寺石津小:314人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
- 浜寺東小:403人、14学級
浜寺南中学校区(浜寺南中13学級)
- 浜寺小:393人、13学級
- 浜寺昭和小:615人、20学級
福泉中学校区(福泉中23学級)
- 福泉小:922人、28学級
- 福泉上小:341人、12学級
- 福泉東小:76人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
南区
赤坂台中学校区(赤坂台中9学級)
- 赤坂台小:330人、12学級
- 新檜尾台小:261人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
庭代台中学校区(庭代台中11学級)
- 庭代台小:298人、12学級
- 御池台小:280人、10学級(1クラスの学年が2、優先度Ⅱ)
原山台中学校区(原山台中6学級)
- 原山ひかり小:298人、12学級
晴美台中学校区(晴美台中9学級)
- はるみ小:293人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
- 槇塚台小:412人、12学級
福泉南中学校区(福泉南中9学級)
- 福泉中央小:355人、12学級
- 桃山台小:137人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
美木多中学校区(美木多中15学級)
- 城山台小:335人、12学級
- 美木多小:647人、20学級
三原台中学校区(三原台中13学級)
- 泉北高倉小:251人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
- 三原台小:464人、15学級
宮山台中学校区(宮山台中9学級)
- 竹城台小:184人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 竹城台東小:118人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 宮山台小:357人、12学級
若松台中学校区(若松台中9学級)
- 茶山台小:166人、7学級(1クラスの学年が5、優先度Ⅱ)
- 上神谷小:145人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 若松台小:195人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
北区
大泉中学校区(大泉中3学級)
- 大泉小:155人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
金岡北中学校区(金岡北中11学級)
- 光竜寺小:105人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 新金岡小:429人、15学級
- 新金岡東小:185人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
金岡南中学校区(金岡南中26学級)
- 金岡小:882人、26学級
- 金岡南小:1,068人、31学級
五箇荘中学校区(五箇荘中17学級)
- 五箇荘小:351人、12学級
- 五箇荘東小:568人、19学級
- 新浅香山小:160人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
長尾中学校区(長尾中17学級)
- 東浅香山小:519人、17学級
- 東三国丘小:742人、24学級
中百舌鳥中学校区(中百舌鳥中11学級)
- 白鷺小(校区の一部):507人、17学級
- 中百舌鳥小:633人、19学級
八下中学校区(八下中9学級)
- 北八下小:476人、18学級
陵南中学校区(陵南中14学級)
- 西百舌鳥小:322人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
- 百舌鳥小:744人、23学級
美原区
さつき野中学校区(さつき野中5学級)
- さつき野小:198人、8学級(1クラスの学年が4、優先度Ⅱ)
美原中学校区(美原中13学級)
- 黒山小(校区の一部):311人、12学級
- 平尾小:242人、11学級(1クラスの学年が1、優先度Ⅱ)
- 美原北小(校区の一部):440人、15学級
- 美原西小(校区の一部):125人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
美原西中学校区(美原西中11学級)
- 黒山小(校区の一部):311人、12学級
- 美原北小(校区の一部):440人、15学級
- 美原西小(校区の一部):125人、6学級(全学年1クラス、優先度Ⅰ)
- 八上小:419人、13学級
出典
- 堺市立小・中学校の規模及び配置の適正化に関する基本方針(案)(PDF)
- 同 概要版(案)(PDF)
- 堺市小規模校基本方針(2002年)(PDF)
- 児童生徒数・通常学級数・学校規模の現状及び学校再編の実績(懇話会 参考資料、PDF)
- 基本方針策定検討懇話会(堺市)
- 堺市立学校園の学級数と園児・児童・生徒数(2026年5月1日現在)
- 市立中学校の通学区域(堺市)
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