人口減少が見えた5月
5月は国勢調査の結果が出たこともあり、人口に関する話題が多い月でした。日本全国で人口が増えた都道府県は、東京と沖縄のみ、大阪も微減。とはいえ、大阪は北部を中心に人口は増えています。
大幅に人口減だったのは堺市です。堺市は大阪第2の都市なので「元々の人口が多いから当然」と思う方もいるでしょうが、大阪府全体の0.83%減であるなか、堺市の減少率は2.76%なので大きな数字です。
サカイタイムズ記事:堺市人口80万3333人 府内最多の減少(速報値)
社会増の中身
人口に関しては、生まれたり亡くなったりする「自然増減」と、転入や転出による「社会増減」があります。堺市は人口が減少しているので、減ったことに合わせてその意味を簡単に書くと、堺市では、亡くなった人が生まれた人を上回り、さらに街を離れる人も多かったということです。
ところが、昨年あたりから堺市への転入が「増」に転じているので、行政も「堺市では社会増に転じ…」といろいろな資料に書かれています。ただ、調べてみると、外国人住民の増加による社会増であって、他の都道府県から堺市への移住が極端に増えたわけではありませんでした。
サカイタイムズ記事:堺市のベトナム国籍住民、20年で70倍
都市間競争の時代
以前からここのコラムでも触れてきましたが、日本は都市間競争の時代に入っています。極端に書くなら、北海道の人に堺市に住んでもらうような施策をしなければいけない時代ということです。
日本において人口の増減は、ある意味で人気競争のようなものです。今回、堺市は負けたわけです。それでも行政が「堺市は大阪府で一番人口の減った市です」とは市民には知らせることはないでしょう。そんななか堺市唯一の市立高校でも動きがありました。
サカイタイムズ記事:少子化と志願者減で堺高校が学科再編へ
教育にも表れた変化
少子化の影響は、高校再編だけでなく、教員採用の数字にも別の形で表れています。
堺市立学校教員採用選考試験でも、変化は数字に出ています。令和9年度は、全体の志願者数が714名で、前年度の732名から大きく減っているわけではありません。
一方で、採用予定者数は前年度の約165名から約91名へ減り、倍率は4.4倍から7.8倍へ上がりました。子どもの数が減り、学校の規模や配置が見直されるなかで、教員をめざす人の数だけが同じ速度で減るわけではありません。入口はむしろ狭くなっています。
堺市資料:令和9年度堺市立学校教員採用選考試験の志願者数を公表
見える化する意味
こうした変化は突然始まったわけではありません。ただ、実感を持つ形で知らされてこなかったのだと思います。私自身もサカイタイムズを始めて堺市の人口動態などを調べることによって人口の構造を知ることができました。サカイタイムズの記事ではそれを「見える化」したにすぎません。
それでも多くの人にサカイタイムズの人口に関する記事が読まれている事実からすると、いかにこれまで堺市に人口について伝えるニュース媒体が少なかったのかがわかります。驚くようなことでもないのに驚きを持って受け入れられている状態とも言えるでしょう。
情報をつなぐ役割
さて、そんな堺市は堺市民がもっと自分たちの街を楽しめるように盛り上がっていく必要があります。魅力ある街に人は集まってくるものです。堺市の弱点はバラバラであること。駅前と旧市街とが遠い地理的な要因もありますが、情報も点々として繋がりがあまりありません。ニューヨークであればマンハッタンに行けばなにかある、1日の予定が埋まる、そのための情報にもつながりがあるという状態になっていないのです。
このまま堺市を沈下させていくわけにもいきません。サカイタイムズができることとして情報の集約があります。集めて重ねられる情報はまとめ直して出す、過去のデータも重要であれば「見える化」して出す。そうした繰り返しによってサカイタイムズに訪れたら「堺市の動きがわかる」というサイトに育てていこうと考えています。
2026年6月1日
サカイタイムズ編集長
笹野 大輔
情報提供フォームを更新
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編集長コラム一覧
第1回 堺の人は堺のことを知らない
第2回 街を知ることから始まる、堺市のブランド力
第3回 堺のニュースは「誰のため」――ここ微妙なとこ
第4回 サカイタイムズ 半年の歩み――地元ニュースの意義
第5回 松原市が仕掛ける『堺への攻勢』 人口流出を防ぐには
第6回 ニュース検索でトップ表示、その裏にある編集
第7回 堺市役所に並ぶ、ニューヨークの1枚
第8回 公共交通は「黒字」でいいのか
第9回 ブラックフライデーは、なぜそう呼ばれるのか
第10回 地元をもっと身近に。堺市の「いま」を伝えるために
第11回 堺市の選挙割を無料掲載します
第12回 年間5,000万円の赤字バス、その構図
第13回 公立定員割れ、堺市の高校で起きている順番のズレ
第14回 堺市の社会増、76%相当が外国人住民増